【d!】サイドテーブルに夢を並べて

今日:7 hit、昨日:9 hit、合計:7,915 hit

.

・御本人様方とは関係ありません

・「眠り」がテーマの日替わり

・ヤンデレあり

12人分あります。

12種類の結果パターン

おやすみなさい - 2024年5月17日

【tn】寝る子は育つ？
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

トントンは困っていた。それはもうオールマイティになんでもこなすトントンも、思わず深く大きなため息をついてしまう程には。

原因はただ1つ、目の前で笑顔を浮かべながら走り回る少女だ。突然親戚から預けられた少女はまだ舌っ足らずな幼い声で、ご丁寧に年齢付きで名乗ったのはついさっきの事だった。

「とんちゃん？とんちゃんどうしたの？おつかれさまなの？」

「…うーん、そうかもなぁ」

「そっかあ」

しまったと思ったのは、少女が分かりやすく眉を下げたとき。馬鹿正直に答えるもんじゃなかった。

「じゃあ！とんちゃん、おひるねしよ？」

ぱっと顔を明るくして少女は言った。子供の表情はころころと変わって面白い。まだお昼と言うには早すぎる時間だが、ため息の原因を静める為にも昼寝は有効的だろう。

おふとんいきましょうね〜なんておままごとの母役のような口振りで、手を引かれる。子供特有の暖かさと柔らかさ、そして少しでも力を入れたら壊れてしまいそうな小ささに包まれるのは緊張する。

寝室に着くなりベッドに寝させられる。ちゃっかり自分も入ってきてるあたり、少女の方がギブアップは早いだろう。

親の真似か、腹の辺りを優しく叩きながら有名な子守唄を歌う姿は、なんというか頑張っている感があって可愛らしく思う。目を開けていると

「だめだよ、とんちゃん。ちゃんとねんねしないと」

なんてお叱りを受けてしまう為、大人しく目を閉じる。

あ、やばい。これ寝るわ。

少女こそ寝てしまうだろうとタカをくくっていたが、すぐそこに感じる体温と、ふわふわとした声の子守唄は予想以上に自身を眠りに引きずり込もうとしてくる。

「…おやすみYOU」

寝かしつけ上手な少女にそう呟けば、ふふんと得意げな声が聞こえた。