【d!】あああああ【短編集】 (ページ17)

今日:44 hit、昨日:17 hit、合計:9,259 hit

黄色の欠如ページ17

＿

世界救うと存在消える系主人公いいですよねネタ

＿

＿＿心に不自然に残る空白は毎日に蔓延る。

例えば教室、一番窓際。本来机が有るであろう場所。...そこには何も無い、正しくデッドスペース。かつて生徒がいたかの様な、同じ学び舎で過ごしていた級友が居たのか。それとなく担任に聞いても首を傾げられ、挙句クラスメイト位ちゃんと把握しておけと注意される始末。転校生が来る可能性の為に開けているかと思えば一向にそれらしい奴も見掛けない。何故俺はただの違和感をここまで必死に追求しようと試みているのか、それさえも分からぬまま。

放課後、日が隠れかけた河川敷を歩く。思えば、俺は今まで一人で登下校をしていたろうか。この道を腐る程通っている筈なのに。...そうであった確証が持てないしこの静寂がどうも慣れない。一応、ではあるが。独り言を連ねながら歩いた記憶も無い。

＿＿何かが欠けた。変わらぬ日常。

俺に巣食う空白は何を言おうとしているのか。

「＿＿＿。」

不意に、少し離れた所から同年代の女の子の声がする。聞き覚えが無くて、耳馴染みのあったそれ。名前を呼ばれた。...俺を指しているであろう呼び掛けに応えるよう振り向けば、そこには、

＿